タイムマシンブルース

どうも。好きな作家は森見登美彦。キャプテンです。

 

大学時代から読み始めて、かれこれ10年以上。

今でも新刊が出たりすれば買って読むのですが、最近出た最新刊が『四畳半タイムマシンブルース』

 

 

 

タイトルでピンとくる人もいるかもしれませんが、これは『サマータイムマシン•ブルース』という作品が元になっています。

 

 

サマータイムマシン•ブルース』は元々ヨーロッパ企画という劇団の舞台の作品で映画化もされており、監督がなんと『踊る大捜査線』の本広克行監督。

 

 

主演に瑛太

ヒロインに上野樹里

真木よう子佐々木蔵之介、そしてムロツヨシの映画初出演だったりと、池袋ウエストゲートパークに匹敵するくらい、今や大物俳優達が若い頃に集結してる作品だったりします。

 

 

映画のキャッチコピーは

「タイムマシンの無駄遣い」

 

 

舞台はとある大学のSF研究会

前日にクーラーのリモコンが壊れてしまい、猛暑の中をぐったりしてる部員達が見つけたのは、タイムマシンのようなもの。

 

SF研だからと馬鹿にした誰かのイタズラだと思った部員達は、面白半分でいじってみると、本当にタイムマシンだった。

 

 

これがあれば何でもできると浮かれる部員たち。

過去に行くか未来に行くか。あぁでもないこうでもないと言い合いする中、一人が思いつく

 

 

「昨日に行って、壊れる前のリモコンを持ってくる」

 

 

かくして、史上稀にみるタイムマシンの無駄遣いが始まるのだけれども、過去を変えれば未来が変わり、最悪自分たちや世界ごと消えてしまうのではと気づいた主人公たち。

 

先に昨日に行ったメンバーたちの行う過去の改ざんをリカバリーしながら、昨日と今日を行ったり来たりする青春コメディ

 

 

 

最初の15分くらいは何気ない日常と、若干意味の分からない展開が続くのだけれど、

それが既に伏線になっていって、後半で答え合わせのように回収していく様子は秀逸で、ドラマの「木更津キャッツアイ」を思い出す。

 

こうしてる間、裏では実はこう動いてました。みたいな様子を展開し、

上下に画面を2つに分け、昨日の時間軸と今日の時間軸を同時に展開するなどの映像の工夫も面白い。

 

最後は見事にすべての伏線が回収されて、非常に気持ちよく終われる楽しい映画です。

 

 

で、今回読んだ『四畳半タイムマシンブルース』は、もともとヨーロッパ企画と親交のある作者が、『サマータイムマシン・ブルース』の原案をもとに、著書の『四畳半神話大系』の世界に融合させた作品。

 

元々『四畳半神話大系』はあの時こうしていれば~をいろんな時間軸で展開していく作品で、この『四畳半タイムマシンブルース』も、そのうちの並行世界の一つとして描かれている。

 

話の大枠や軸は『サマータイムマシン・ブルース』であるものの、省くところは省いてコンパクトにしつつ、それでいてオリジナリティも追加しながら、きれいに話がまとまってるから凄い。

 

一度映画を観て、ストーリーの大枠を掴んでいることもあって、スムーズに情景が浮かんでスラスラ読めた。

 

 

映画はアマゾンプライムで観れて100分くらいの作品なので、サクッと観れます。

 

実際、本を読んだ後に久しぶりに観たいと思って昨日観ました。

 

 

本も映画を観てストーリーを知ってれば、1日でサクッと読めてしまうので、おススメです。